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執筆者の写真まきたひさこ

砂浜とアスハルト。


外が白み始めた頃、

寝ていた猫がきらっと目を見開き、

しゃしゃっと、部屋の端っこに走った。

そして、天井のネズミの足音がしたほうを

じーっと見つめた。

板1枚で仕切られたそれぞれの空間。

上の住人も

猫の気配を感じたのかすぐに静かになった。


昨夜は就寝が遅かったけど、

猫のバタバタでスキッと目が覚めた。


午前中は、用事がありパークへ。

帰宅後、つれあいと私のスパゲティをささっと作り

食べながら、昨夜みたテレビの話をした。


「遠藤周作封印された原稿」 ETV特集 

この番組の前にSWICHインタビュー達人達を見ていて

その流れで見てしまったもの。


未発表小説、104枚の原稿が長崎で発見された。なぜ、封印されたのか。

母を孤独な死に追いやった父へ、複雑な感情を抱えていた遠藤。

人間の弱さとどう向き合い、ゆるすのか。

・・・といった内容だった。


見つかった原稿はすぐに書籍化され

「影に対して」という題名で店頭に並んでいる。

この本の中に、

堅実で平凡な生活を良しとするアスハルトの上を歩くような生き方。

夢をおい人生の高みを目指して砂浜に足跡を残していくような生き方。

この、相反する生き方についてふっかけてみた。


好物のスパゲティをたべご満悦だったせいか、

お酒も飲んでないのによくしゃべった。

おれと、お前みたいなもんだん。

でもな、平凡でも毎日毎日チャレンジですよ。

壁があるよ。でも立ち向かいますよ。

それがなくなったら、やめるわいや。


与えられた仕事にベストを尽くす。

確かに自分で作ったルールではないし、組織に

拘束された感はあるけど、自分の責任は果たすよ。

精一杯。

家族を養うためもある。

だけど、それだけじゃない。

・・みたいなことも話していた。


夢、目指すべきもの、は一見かっこいいけどしんどい。

自分で枠組み作って全部自分で決めて行くことは自由なようで

拘束されてると思うこともある。


置かれた場所で咲けるか、

咲ける場所を作るかのちがいかなあ。


久しぶりに彼の心の内を垣間見て、

ふうーん。そうか。と思った。

やらされ感で会社に行ってる感じもあったので、

気の毒だなーなんて思っていたこともあった。

けれど、こんなふうに思っていたのか。


20数年連れ添ってもこの程度。

わからんもんよなあ。

まあ、わかったような気になるほうがまずいかも。

時間の経過とともに、見えなかった部分が見え、

新しく付け加わり面が増えて、

ドンドン多面体になっていくのかも。


ダイヤモンドは、144面体というのがあるらしい。

(はあ?あんなにちいさいものにこれだけの面を作るの?)

それぞれの面を磨いてこそ輝きが生まれる。


私の場合、曇らないように、ほこりをかぶらないように

さらっと拭く程度だけど、

まあよしとしよう。


遠藤周作の「沈黙」「影に対して」

よんでみようと思う。


さて夕食。

鮭が半額だった。

ラッキー。

マヨネーズに生クリームを混ぜてリッチなクリームにする。

玉ねぎやシイタケを炒めてアルミの底に敷いて、

ちょっと焼いた鮭をおいて、クリームかけるかな。

で、グリルで色がつくまで焼いてみよう。

後はキャベツのコールスローと、今朝作ったナスのザブジ。

赤だしのお汁。(わかめと豆腐)




*窓から見える風景

新聞の切り抜きや、資料等で足の

踏み場もなかったマイルーム。

やっと、道ができた。

今は、おばあさんの草刈り機で

うるさいけど、景色は文句なし。目の前の

もみじにいろんな鳥が来てくれる。


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